









カイラ君
情熱的な流れが、まるで心を見透かすかのように伝わる 💌これ以上ないほどの完成度が、欲望を満たす 🌌やばい、鳥肌どころちゃうって。
私、橘露華(たちばなろか)には大切なおさななじみがいた。
藤嶺冴月(ふじみねさつき)。私たちは家族のように仲良く育った。だけど13年前のあの日、冴月は死んでしまった。私の目の前で車に撥ねられて――――――。
自責の念から長らく心が不安定だった私も最近やっと落ち着いてきた。ずっと心配をかけてきた両親を安心させてあげたくて、紹介されるがまま会って間もない男性と婚約もした。
穏やかに日々が過ぎていくはずだった。
そんなある日、自宅に帰ると見知らぬ男が食事を作って待っていた。
泥棒!?ストーカー!?
私を組み敷く男は言った。
「俺は藤嶺冴月。きみの大切なおさななじみだよ」
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